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【翻訳】朝鮮人民軍の戦術 "Threat Tactics Report: North Korea versus the United States"より

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編訳者前書き  この記事は、アメリカ軍TRADOCより2015年の” Threat Tactics Report: North Korea versus the United States”を仮翻訳するものです。 BesetmentとEncirclementをどう翻訳するかで悩んだ結果、Besetmentを包囲、Encirclementを分断(もしくは包囲分断)と訳することにしました。理由はどちらも日本語における包囲が最も最適な訳ですが、軍事的には厳密な意味が異なるためです。詳しく述べるならば、Besetmentは敵を取り囲むように攻撃することに重きが置かれており、まだ敵には撤退の余地が残されているかもしれません。しかしEncirclementでは後方を、というより連絡線を分断して敵を撤退させずその場で孤立・殲滅することに重きが置かれているからです。そのため前述の通り少々意訳を加えてみることにしました。 最後に、各種数字や規模について、2015年当時の値であることによく注意して読んでください(装備は時代とともに移り変わりますが、彼らの戦術やテクニックは文中でも述べられている通り、遠い未来でもそうそう変わるわけではないと思われます)。また本文の直リンを直下に置きます。 元資料DL North Korea vs the United States 概要説明 ・北朝鮮の正規歩兵師団はアメリカ軍の部隊が朝鮮半島で直面する可能性の最も高い師団です。朝鮮人民軍(KPA)野戦装甲・機械化部隊があるとはいえ、正規歩兵師団の数はその他の種類を大幅に超過しています。 ・朝鮮人民軍の攻勢作戦は砲兵による化学弾の大規模な使用を含みます。これらは主に 戦闘支援(CS) 、 後方支援(CSS) 、そして 指揮統制(C2) の部隊をを攻撃することを主眼に置いています。そしてディープオペレーションが朝鮮人民軍特殊作戦群(SPF)によって行われます。 ・朝鮮人民軍の防衛作戦は敵の戦車を砲兵の大規模な使用、大隊・連隊・師団の対戦車キルゾーンを通して倒し、そして連隊、師団、軍団のカウンターアタックで敵の攻勢を撃破してしまう事に主眼を置いています。 ・アメリカ軍は朝鮮人民軍の正規歩兵に正面の戦線で直面しますが、朝鮮人民軍の特殊作戦群は米韓軍の後方で攻勢作戦を実施し第二戦線を形成します。 ・朝鮮人民軍の通常